kobeniの日記

仕事・育児・目に見えない大切なものなどについて考えています。

お義母さま、「ニシンのパイ」はビミョウです

こんにちはkobeniです。年末ですね。お仕事や家事育児にいそがしい皆様におかれましても、避けては通れない大仕事の季節がやってきます…そう…嫁という名の、な!お歳暮をやりとりしたり、帰省に向けて色々準備されてる方もいると思います。うちも先日、お義母さんからリンゴが届きました。うちのお義母さんは、リンゴとかお米とか、いろんなものを送ってくれます。特にお米がビックリするくらい美味しいので、いつもとっても助かってます。ですがここだけの話(って全世界の全人類が読めるwebに書いてますが)、「お義母さま…これは…お気持ちはとても嬉しいんですが…ビミョウです」っていう物をもらってしまうこともあります。まぁうちの場合、どっちかというと実母の贈り物もだいぶ変(金太郎がおなかにつけてる「金」て書いてあるやつを、「高かったのよ!息子くんのおなかにつけて!」って渡してきた時はどうしようかと思いました)なのですが、実母なら「なにこれ、いらないよー」と言えるから、まだ良いんです。お義母さまには言えないじゃないですか、ねえ。そんな失礼なこと。かくしてそういう「お義母さまこれはビミョウです体験」は、嫁が各自で心の奥底にそっとしまい込む(そしてブツは押し入れにそっとしまい込む)こととなり、未だ世の中にその存在自体を知られてないように思います。(※「えー、わたし、お義母様とはとっても趣味が合うし、一度だってビミョウなものなんてもらった事ないわ!」という奥様、あなたはものすごい強運の持ち主です。その運の良さたるや、SATCでひとつのエピソードになるくらいです。こんなブログ読んでないで年末ジャンボでも買いに行ってください)




■あの「魔女宅」の「ニシンのパイ」は、嫁姑問題の難しさを描いていた


しかし私は、嫁になってから気がついたのです。この「ビミョウ体験」を見事に表現した作品が、世の中に存在していることに…!それはあのジブリの名作「魔女の宅急便」の「ニシンのパイ」のシーンです。魔女のキキが宅急便を頼まれて行ってみると、上品なご婦人がパイを焼こうとしています。「孫のパーティーに温かいお料理を届けてもらおうかと思ったのよ。私の自慢の料理、ニシンとかぼちゃの包み焼き。」ところがオーブンの調子が悪く焼く方法がない。ご婦人が諦めようとしたところに、キキが「これで焼きましょう!」と、使われていなかった薪のオーブンで、機械よりもずいぶん手間をかけて無事パイを焼くことができた。突然降り出した雨の中、キキがずぶぬれになりながら孫娘のパーティー会場へパイを届けると、出てきた若い娘が一言
「おばあちゃんからまたニシンのパイが届いたの。あたしこのパイ嫌いなのよね」
ギャーーー!!これはひどい!!ひどすぎる!!傷ついたキキの表情が子供心にトラウマ、という方も多いのではないでしょうか。キキはまさかの一言に放心状態となり、その日に行く予定だった飛行クラブのパーティーにも行かず「私の仕事っていったいなんだろう…」と自信を無くしたあげく、唯一のスキルであった「空の飛び方」が分からなくなるという、まるで転職活動中の24才第二新卒みたいな状態に陥ってしまうのでした。


これ、どう考えてもおばあちゃんかわいそう孫ひどい、というシーンなのですが、しかし私は思うのです。「この孫娘の『お母さん』は、けっこう大変なのではないか…?」と。孫娘いわく「またニシンのパイが届いた」。つまり、これまでも孫娘にはたびたび「ニシンのパイ」が届いていたんですよ。でも、おばあちゃんは、孫娘が実は喜んでないことを知らない。つまり、これは私の想像ですが、あのおばあちゃんは「姑」で、孫娘のお母さん(お嫁さん)は「実はうちの娘、ニシンのパイ好きじゃないんです」という真実を言えない状態なのではないか…?と。



※図にするとこういう感じ


映画には登場しませんけれども、あの娘さんのお母さん(ここでは嫁と仮定)の立場になって「ニシンのパイ」について考えてみると、いろいろと疑問がわいてきます。この老婦人、もしかしてニシンのパイを夏場にも送っていたのではないのか?しかも、キキが焼きたてを運んで行ったところを見ると、もしかしていつも「常温」で送っていたのではないか?そもそも宅急便の人が取りに来てから焼くのはかなり非常識じゃないのか?(魔女じゃなくてヤマトさんが集配に来たらどうするつもりだったのか?)*1そもそも、孫娘は何が好きなのか?もしかしてニシンじゃなくて、チョコレートとかグラタンとかじゃないのか?だったらそれを送った方が喜ばれるんじゃないのか?娘が食べないパイを、お嫁さんが代わりに、ちょっと吐きそうになりながら全部食べてあげたりしているかもしれないじゃないかっ…!


と、かなり嫁サイドに立った見解になってしまいましたが、宮崎駿氏が「嫁」視点をもうちょっと理解していたら、ニシンのパイはああいうエピソードにはならなかったかもしれません。パーティー会場からお礼の電話をかけるお嫁さんの様子が出てきたりしてね。まあ、本編に全く関係ないですけどね。




■嫁への贈り物は、どうすればビミョウでなくなるのか


さてこの記事、ここで終わってしまうと、私に対する印象が「この人ホントにヒマなんだな」という風になりかねませんので、もうちょっと内容を濃くしたいと思います。
「お義母さまこれはビミョウです体験」をしたことがあるお嫁さんって、実はたくさん居ると思うんですよ。以前ツイッターでその話をしたらすごく盛り上がってしまったので。たぶん、みんな遠慮して大声で言わないだけです。それらの体験談をふまえまして、私はここで「どうすれば嫁への贈り物がビミョウでなくなるか」について考察したいと思います。まあ、こんな場末のはてなダイアリーにそのようなアドバイスを書いても、お義母さま方が見る可能性は残念ながら限りなく0ですので、ネタだと思って読んでください。




●常温で送らない
「孫につくりたてのポテトサラダを…」などという気持はわかりますが、痛む可能性のある食べ物を常温で送るのは非常に危険です。到着するまでに腐ってしまうリスクを考慮し、クール宅急便などを活用しましょう。魔女に頼む場合は、せめて調理が済んでから呼びましょう。


●汁物を送らない
「お惣菜が段ボールの中で盛大に汁漏れしていた」という方がいました。いわゆる「スープの冷めない距離」というのは、あくまで「自分の足で運んだ場合」の話です。ヤマトさんの服を汚す可能性も高いので、スープなどを送りたい場合は自分で運びましょう。あるいは「みそ汁便」などの新サービスの開始を待ちましょう。


●過剰な量を送らない
「野菜や果物は助かるが、ゴミ袋に一袋分程度のほうれん草などが送られてくる」という方がいました。そもそも息子一家は何人家族だったか、ということをふまえて送りましょう。また、息子世代はひもじい思いをしたことがない人が大半ですので、量が質を凌駕することはあまりありません。


●処分目的で送らない
「スリッパが片方だけ」「羊羹の固くなったところだけ」「20年前のマタニティウェア」など、なんとなく捨てるのはもったいない気がするものを送る、というのはやめましょう。お嫁さんが、羊羹の固くなったところが三度の飯より好きというなら話は別ですが。


●土地の名産物は客観的に
「荷物に毎回『つけてみそ かけてみそ*2』が入っている」という方がいました。仮に息子さんが名古屋出身であれば、パンにも味噌をつけて食べている可能性がありますが、お嫁さんにとってあれは「料理に使いづらい、ただの甘い味噌」でしかありません。つけてみませんし、かけてみません。お嫁さんの出身地も考慮しましょう。


●息子のためだけを思わない
息子の好物ばっかり入っているとか、息子の生活を案じて送るあまり明らかに嫁への嫌味になっているとか、荷物の宛名・手紙の宛先が息子だけとか、そういうのはシャレになりませんので控えましょう。一つくらいは嫁が喜ぶものを入れることをおすすめします。もし、お嫁さんが名古屋の人だったら「つけてみそ かけてみそ」を入れるとよいでしょう。




…なんて、偉そうなこと言いつつ私も、もしお姑さんになったら、↑こんなこと忘れて孫にニシンのパイを焼いてしまうかも…いや、その頃は若者の味覚がさらに大きく変化し、ニシンはスイーツの一種になっているかもしれん!そのくらいの時代の変化にはついていける姑でありたい!
ちなみに、嫁がお義母さんからもらいがち、かつどうしていいか分からなくなるものトップ3に入る「干し柿」ですが、冷やして食べると美味しいらしい。保存も長くできるし、渋みが消えて良いんだって。ぜひお試しあれ。そして全ての嫁の皆さんへ…GOOD LUCK年末年始!



※年末にお義母さまの相手をする際の参考にこちらもどうぞ
たまーに会うお義母さんの話を上手に聞く方法 - kobeniの日記

*1:レンジが故障したから、は承知の上ですが、にしてものんびりしすぎだろと思いました

*2:[http://event-gift.com/otoriyose/0801050.php:title]