kobeniの日記

仕事・育児・目に見えない大切なものなどについて考えています。

「第3次男女共同参画基本計画策定に当たっての公聴会」なるものに行ってきたよ

こんにちはkobeniです。みなさまGWは楽しく過ごされましたでしょうか?実にあっという間に終わってしまいましたね。海外に居た方のために、ずっと日本で過ごした私がお伝えしておくと、GWに最も話題になったニュースは「夫婦ゲンカで『だめだこりゃ』と言うと国民幸福度が下がる」というものでした。特に子供が産まれたての頃はズゼゾ(the mostの意です)危険らしいから、注意してくださいね!


さてずっと日本に居たと書きましたが、GW中に「第3次男女共同参画基本計画策定に向けての公聴会」なるものに行ってきました。前回の「迷走する両立支援」の記事に書きましたが、「日本は、両立はできるが均等ではない」という言葉がずっと印象に残っていて、そんな時にツイッターで「中間整理の公聴会」があるよ、という情報が流れてきたので、なんとなく申し込んでみたのです。


実はこういうマジメっぽいものって、全然参加したことがない私。でもツイッターで流れてきたし、ブログのネタになるかなーなんて軽い気持で行ってきましたごめんなさいごめんなさい。



■公聴会@「女性と仕事の未来館」三田



この公聴会とは何か?カンタンに言うと
「国が、男女共同参画基本計画について、国民の皆さんの意見を聞くよ」
というものですね。

政府では、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を総合的・計画的に推進するため、男女共同参画社会基本法に基づき、男女共同参画基本計画を策定しております。これまでに、平成12 年、平成17 年と2次にわたり計画が策定されており、平成22 年中には、新たな第3次男女共同参画基本計画の策定を行う予定です。
 策定に当たっての基本的考え方について、現在、男女共同参画会議の下の基本問題・計画専門調査会において検討が進められており、このたび、専門調査会で取りまとめた中間整理について、国民の皆様の御意見を募集いたします。


会場の「女性と仕事の未来館」というところにも初めて行きました。まああんまり「女性」って感じも「未来」って感じもしなかったのですが、普通にキレイな館でした。(なぜか事前に、「あーこれ会場は渋谷だなー」と記憶していたのですが、それは「たばこと塩の博物館」だった。全然ちがう)

私は14時からの回に参加予定だったので、お昼ゴハンを会場内の喫茶店で食べました。女性と仕事の未来館だから「ワークライフバランス丼」(ワークの部分が卵でライフの部分が米みたいな)とか、「M字カーブ丼」(海苔でMって書いてある)とかあるのかと思いましたがそういったものはなく、ふつうにアボカド丼みたいなものを食べました。


公聴会は「国民の意見を聞く会」なので、まずは中間整理がどのようにまとまっているかの資料
が配られ、壇上の委員の方々から簡単に説明があり、その後は国民の皆さんが意見を述べたり依頼をする、という形で進みました。

男女共同参画といっても、その分野は非常に幅広く、意見も多岐に渡りました。全てとはいきませんが、どんなトピックがあったかによって、この分野で現在、注目されている議論が把握できると思いますので、ちょっと書き出してみます。



★はじめに(委員の方から)ー今回の中間整理のポイント
「わかりやすさ」と「実効性」
また、男女共同参画=働く女性のためのもの、と捉えられてきた点を反省。男性や専業主婦にとっても、「身近な」ものにしたい


★どんな「国民の意見」があったか

● 配偶者扶養控除を廃止してほしい
● 政治家の女性差別的な発言をキチンと取り締まってほしい(某都知事とか)
● 議員の女性比率についてポジティブアクションを推進してほしい(地方の議員をされている方より。60名中3名のみ女性というような議会があるらしい)


● セクシャルマイノリティに対する配慮の文章が入った(第7分野に入っています)ことを評価したい。だが日本は、例えばイギリス等に比べるとこの分野が非常に遅れている。「男女共同参画」とは別の政策で対応していく必要があるのでは

● 男女賃金格差の問題。選択議定書の批准をお願いしたい
おそらくこの↓柚木さんがいらっしゃっていたと思う
兼松の事件はけっこう有名だと思います
「国内人権機関と選択議定書の実現をもとめる共同行動」院内集会を行いました | 人権市民会議
ちなみに選択議定書批准については、委員の方々から、少しずつ進めているという説明がありました。

●表現規制問題
多くの意見が出ていました。

藤本由香里さん(http://twitter.com/honeyhoney13)が発言されていたので、彼女の5/8のツイートを見て頂くと分かりやすいです。

honeyhoney13会場でいただいた資料(中間整理)では、報道されたものより、表現規制をしたいとする意思の表明はずいぶん和らげられています。そのことにちょっとほっとしました。もちろんDVなどの暴力はなくしていくべきですが、それを表現規制に広げるのは別。むしろ必要なのはオルタナティブな表現の推進です。

●「女性の健康支援」(第9分野)に避妊の問題が抜けている

●男性の育児参加について
諸外国は、男性のインボルブメント(巻き込み)についてかなり積極的。
第3分野に盛り込まれています。



…他にも色々ありましたが、今回は手元のメモから、私が印象に残ったものを抜粋しました。



はてな村みたいでした


意見を言いたい方は、挙手をして発言するのですが、皆さん遠方から来ている方も多いのに、全員発言できないのはちょっと可哀想だと思いました。また、確かに「公聴会」なのですが、意見というより質問をした人も多く、その回答がその場で得られない*1のはちょっと消化不良だな〜と思いました。


また、最初に名前や所属を名乗るのですが、意見を言ったのは公務員や教員、NPO団体の方が多かったです。民間企業勤務の方は少ない印象でした。ジェンダーなどを専門的に研究していなくても、こういった内容にはみんなが興味を持ってもいいんじゃないかな、なんて思いました。「ここは、はてな村…?」というような、旬なトピックが多かったので、みんな行けばいいと思ったんだよね!全国でやってたし。もちろん定員があるんだけど…



そして、私が気になっていたと書いた「両立と均等」の問題なのですが、M字カーブや賃金格差の問題を積極的に解消していきたい、という意志は感じました。ただし企業でのポジティブアクションについて、「2020年30%に向けて、女性の採用や管理職・役員における女性の登用についての具体的な目標(例えば、2015年の目標)を設定するなど、実効性ある推進計画を策定するよう働きかける。(第4分野)」とあるのですが、企業に「(計画立ててねと)働きかける」だけでは、正直、あんまり進まないんじゃないかなと思いました。なので個人的に、メールで意見を送信しておきました。*2



■ オジサンVSオジサン!


女性の管理職比率をせめて30%にしよう、というポジティブアクションについて、経営者と名乗るオジサンが「それは何かメリットがあるんでしょうか?!(かなり反語的に)」と質問していました。それに対して、委員の方数名(オジサン)が、「市場には女性向けの商品があふれているのに、企業のトップに女性が全くいないのではダメでしょう」とか、「入社の時点では女性の方が成績優秀であるケースも多いのに、年次を追うごとに女性の人数が減っていく、それは企業が彼女達の活用方法を理解していないからだ、『得がある』というよりは『(女性が辞めていくことで人材活用の点で)損をしている』という風に考えてもらいたい」等、かなり必死に説明していらっしゃいました。
こういうテーマでオジサンVSオジサンの戦いを見たことはなかったので、なんだかとっても新鮮でした。



以上、とりあえずご報告でした。

*1:一応、最後に委員の方が答えた質問もありましたが

*2:12日までメール等でもコメント募集していたのです