kobeniの日記

仕事・育児・伏し目がちなメガネ男子などについて考えています

佐藤雅彦「これも自分と認めざるをえない」展/子連れでアリエッティ展(図解あり!)

どうも、kobeniです。やっと少し涼しくなってきましたね。
モテキについて私の感想を書くとすれば、「それ、ソウルセットですか!?」と声はかけない、いや、万が一かけたとしても、私は土井亜紀風じゃないと思う。お前が俊美風じゃないようにな。ということですかね。


最近、家族で美術館に出かけるのにハマっています。休みの日には、息子をどこかへ連れ出さないと、エネルギーがありあまってしまうので、外出することが多いです。育児をしていると、なんというか「日常生活」の存在感がどんどん増してくるので、そこから遠く離れて、個人の自分に戻ったり、気分転換したりするのに、アートは持ってこいだな!と思っていて、独身の頃よりも、よく行くようになりました。
息子は移動中にお昼寝に入ってしまうことが多いのですが、仮に起きていても、そんなに騒がない(まだ2歳になってないし)ので、一緒に絵を見たりしています。動物や花の絵くらいなら、息子も分かるみたいです。


きょうは、私が最近出かけた、ふたつの企画展をご紹介します。どちらも東京ですが、まだ開催中です。


■ 佐藤雅彦「これも自分と認めざるをえない」展 (子連れ満足度★★)

リンク: 企画展 佐藤雅彦ディレクション 「“これも自分と認めざるをえない”展」
ミッドタウン内で開催。入場料は1000円、小学生以下は無料です。



    




まずは、「ピタゴラスイッチ」「0655」でおなじみの、佐藤雅彦さんの企画展です。私が行ったのは8月の終わりです。どうしても観たかったので、有休を取った日に一人で行きました。平日なのに、とても混んでいて、展示物によっては一時間待ち…けれど今はもう少し改善しているのではと思います。
子供を連れて行かれる方は、小学生くらいなら一緒に楽しめるかも。妊婦さんもちらほら。赤ちゃんなら、抱っこのままでOKかと。でも乳幼児はちょっと大変かなあ、体験型企画が多いから。子連れの割合は3割くらいでしたね、平日で。ヤングが多かったですよ。
以下、私の感想です。※ネタバレを含むので、まっさらな状態で行きたい人は、読まない方がいいと思われます。




    




広告って昔から、基本的には「マス」に向けてメッセージをするというその性質から、なにかをメッセージする時に「平均的、一般的なライフスタイル(や、それを実行している人々)」を前提とするところがあります。それは、そのような意図はなくても、「こういう生き方がフツウ、こういう生き方をすべき」というようなメッセージに映る可能性は、大いにあると思う。

たとえば、企業のHPとかハウスメーカーのCMとかで、こういう家族を見ませんか?


    


これ私こっそり「レンフォト*1家族」と呼んでいるのですが、平均的な家族像を捉えているこの表現から、「日本で家族になるなら、この構成メンバーであるべき」みたいなメッセージを受け取ってしまわなくもない。まあ実際に、多くの人々が望むのがこういう家族構成だったりするし、それが悪いわけではないと思うので、仕方がないのですが。*2


だからさ、「マス」コミって少々、強引で押しつけがましいとこがあるわけですよ。


そんな中、今の広告や販促のひとつの方向性として、「マス」から「ダイレクト」マーケティングへ、というものがある。人々をマスとして捉えるのではなく、その人本人・その人の個性になるべく合わせた販促活動を行う、というものですね。
たとえば、ポスターの前を通りかかったら、そこを通った人が男性か女性か、何歳くらいの人なのか等を機械で察知して、データベースを検索して、それによってポスターでアピールする内容が変わる。そんなSFみたいな未来がやってくるかも?なんて聞いたことがありませんか。


…ここでやっと、「これも自分と認めざるをえない」展です。
年齢、性別、身長や体重、クセや趣味嗜好といった「属性」を、より細かくとらえる技術とその利用が発達した社会ってどういうもんかな。というのが、この企画展の趣旨。
最近も、属性を絞り込めるfacebookの広告に関してのエントリが上がっていましたが、こういうのもそのひとつだと思います。
レンフォト家族に代表されるような、「あなたは大衆でしょ、大衆ならばこういうものが今ほしいでしょ」という「マス」コミュニケーションがちょっと失礼で傲慢だとすれば、属性を丁寧に把握したダイレクトマーケティングって、もっと、個人に優しいのかな、って思ってたんですよ。なんとなく。

でもこの企画展に行って、そんな期待はちょっと的外れだったか?と思いました。


属性を、常に意識させられる。とはどういうことか?引き続き、例として広告の話をします。
例えば私の属性を細かく把握している企業があったとして、30歳の誕生日に、「kobeniさん、30歳のお誕生日おめでとうございます…都内在住の優良企業にお勤めの方々のうち、30歳でマンションを購入された方は●%です。そろそろあなたも、購入を検討されてはいかがでしょうか。ちなみにあなたのfacebook上のお友達は、こんなマンションを選んでいます!」とかいうメールが来たとする。これ、「そうそう、私kobeni30歳、そろそろマンション買っちゃおうと思ってたの☆」って場合はいいけどさ、「はあ?!そんな余裕ないよ、先月会社に辞表出したばっかだし」みたいになる可能性もあるよね…。貯金額とか勤務状況まで把握してるなら別かもだけど。あるいは「えっ30歳になったら、女性はふつうマンション買うものなの?「ふつう」そうなの…?私がおかしいのかしら」なんて不安にさせられたり、あるいは「てめー今の私にマンション買えとか、一生独身でいろって言いたいのか!」なんて激怒する可能性もあるよ、生理前とかだと。それともなに私の生理日まで把握するつもりなの。生理日は極端かもしれないけどさぁ、「その日の気分」とか、「生き方」みたいなものも属性だとするならば、それは本人ですら曖昧な可能性もありますよね。
あと、日々、別に意識したくない属性だってあるわけですよ。一度、激安プライスの洗濯バサミを買っただけで、その履歴から「節約志向、やりくりママのkobeniさん」とか呼ばれたくないっすよ私は。みたいなこと。


そう考えると、「ダイレクトマーケティング」ってすごく難しいですね。少なくともこの企画展に行って、私は「属性を細かく把握され、それを日々つきつけられる」ってことに、あまり良いイメージを抱けませんでした。


じゃあもし、コンシェルジュみたいな感じで、私のことを、ものすごくよく知る「人」が間に入って、私の自意識とかキゲンを考慮しつつ、いいかんじにオススメとかしてくれるとしたら…

どうなんでしょうね。その人が数字持ってたりしたら、なんか買わなきゃとか思うのかもしれない。(そもそも、それ戦略として成功なのか…?)でもその人、私のこと恋人とか親友並によく知ってるんだよね。そんな商品のこといいから飲みに行こうよ、とか言いたくなりそうです。



他にも色々と考えさせられる、メッセージ性の強い企画展でした。個人的には、ツイッターやブログで、息を吸って吐くように「自己表現」したり、自分にひたすらタグづけしていくような日々の中で、「『私』なんてものをほじくってもそんな何も出てこないし、もっと大事なことはないのかしら」とか思う日も…そういう点でテーマ的に共感できる展示もあり、観に行ってよかったです。
余談ですが、小山田圭吾くんのアレとか、穂村弘さんのアレとか、梅田望夫さんのアレとかを観ることができる展示があります。行った人は分かると思うけど、梅田さん将棋好きすぎ。




■ 「こどものにわ」&「借り暮らしのアリエッティ×種田陽平」展 (子連れ満足度★★★★★)

リンク: 東京都現代美術館 | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
ふたつの展示を両方観ると1750円です。



ひとつめの紹介が思いのほか長くなってしまったので、こっちはまあ…サクッと紹介しようかな!「こどものにわ」展は、いろんなアーティストが、子供も一緒に楽しめるアート作品を創って、それを展示しているものです。夏休み企画なので、子連れもたくさん来てましたし、現代美術館はランチできるところが二箇所あるので(しかもレストランの庭に「うずら」が居たりする)、混んではいるものの、なかなか便利でした。
ただ、「こどものにわ」展は、開催からかなり時間が経っているため、
東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
ここにも出てくる、お花畑の模様の床は、もうほとんど花が消えてしまっていました。


それより私が伝えたいのは、「借り暮らしのアリエッティ展」がすんごく良かったよ。ということです。
ポスターに、「現実(リアル)と虚構(バーチャル)の融合(フュージョン)。」とか書いてあって、よくよく読んでも意味がわからないので、まあ映画が公開されたところだし、なんとなくパネルとか展示してるんだろう。くらいに思っていたら、いやとんでもない。
フュージョンとかTVのジョンとか、そういうことではなくてですね、


「あなたも身長10cmの小人になって、アリエッティの世界を歩こう。」


ということなんですよ!この展示は!


種田陽平さんは、「スワロウテイル」「キルビル」等の美術監督をされている方。脚本を読んで、世界観をイメージし、実際に街や建物を「セットとして組みあげていく」人なんです。その方に、ジブリの鈴木敏夫さんが声をかけた。「アリエッティの世界を、現実に再現してみないか」。
というわけでこの展示は、アリエッティが住む床下の暮らしや、庭先の世界を、「彼女の大きさになって」体験できる、というものなのです。その再現性、ファンタジック度といったら、ディズニーランドに負けてませんよ!浦安のですよ、中国のじゃないですよ。端的に図解するとこういう感じですよ。

  



最近、bamboo(ペンタブレット)を買ったので、とにかく使ってみたいんだけど今イチ使い方が分からなく、こんな絵しか描けませんでしたが…
とにかく、これは子連れで行くと、きっとお子たちは、大喜びだと思います。混んでるけどね!大人が10cmってことは、子供はまあ、3cmとか?角砂糖くらいですね。バッタに乗れるサイズですね。そんな気分を味わえること間違いなしです。


    


こうやって窓の中をのぞくんだよ。開催は10/3で終わってしまうので、ぜひ行ってみてくださいね。




右脳を刺激するのって、楽しいから好きなんですよね〜。そういうことをたまにしておくと、わりと堅い仕事をしていても、柔軟な発想ができたりしませんか。右脳を刺激する本とかツールとか、そういうのを紹介する記事もいずれ書いてみたいな、と思います。



属性

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ホット・セット 種田陽平 美術監督作品集

ホット・セット 種田陽平 美術監督作品集

*1:レンタルフォトの略。既に素材として存在している写真を有料/無料で使用できるサービスのこと

*2:個人的には、「お母さん」の髪型がたいてい黒のロングで、なぜかワンピース着てることが多いっていうのがアレよねと思っている。妊婦さんになるとさらにその傾向が増す