kobeniの日記

仕事・育児・目に見えない大切なものなどについて考えています。

「婚外恋愛」と「1122」のはなし

 

「婚外恋愛」っていうドラマがありまして、ひとり鑑賞会を行っていたのですが、無事に最終回を迎えまして、誰かに感想を言いたくて言いたくて震えているので久々にブログを書きます。

そもそもこのドラマ、2002年にテレビ朝日系列で放映されていたもので、DVD化などもされていません。私は当時の録画をお持ちの方から頂きました。出演者に不祥事があったとかで、再放送もされてないみたいです。主演は、永作博美(当時31歳)と堺雅人(当時28歳)。あ、まず大前提として私が堺雅人の重度のファンなので、それを前提に読んでもらえたらと思います。だからこのドラマ、主演が先の二人じゃなかったら、私がどれだけハマったかは未知数…未知数ですごめんなさい。でもね、そもそもね、俳優としては遅咲きの堺さん(新選組!でのブレイクが2004年、その時既に30越えてる)を、ほぼ実年齢の役で、主演に抜擢してくれた目利きのスタッフと事務所の力wにもう、感謝しかない。ありがとう田辺エージェンシー。永作さんも、今も大変な美人ですが当時はもう眩しすぎて可愛くて私が結婚したい、永作さんと。

どうして当時観てなかったのかな?と考えたのですが、私この頃に就職したばっかりで、結婚にリアリティとか全くなかった。まして婚外恋愛など!というか、そもそも自分がこのドラマの主人公のように、夜の22時くらいまで働いていたので、放映時間だった木曜日21時に家に帰れておりませんでしたww 

職業の設定とか、二人の住んでるマンションや出てくるバーなどが今見ても割とオシャレなこと等を考えると、トレンディドラマの残り香がある作品なんだなと思います(私も夜中まで働いてましたが全くトレンディではなかった)。

 

何が良いかって単純に、今の自分の理想にかなり近い夫婦を、15年前に自分の推しが演ってたという…その…奇跡に尽きる!!だからこれが堺雅人主演じゃなかったら私は(ry くどい!

まあいいや、ちょっとこの夫婦について説明しますね。

 

湯浅みつる 30歳。女性ファッション誌「アバンティ」の編集者。仕事が好きで、いつも夜遅くまで働いている。会社では既に中堅社員、そろそろデスクに?という年齢だが、「仕事のためならおっさんの接待でもなんでもする」というがっついたスタンスのため、後輩女子たちに「ついていけない」と思われている。お姑さんとおりあいが悪い。

 湯浅拓也(タク)28歳。プジョー中目黒店(!)に勤める外車ディーラー。出世欲がないせいか、たまにパワハラ気味の上司に「やる気あんのか」「やめちまえ」とか言われている。妻のみつるの仕事を尊重した結果、前職を辞めた経験がある。趣味は飛行機の模型をつくる&部屋で観葉植物を育てること。エプロンが似合う。

 

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ね、いいでしょ!?良くない? 二人の出会いはスキーサークル的なもののようです。プジョーの車に乗って想い出のスキー場に行ったりしている。フーぅ、トレンディ☆堺さん本当は当時、免許も持ってないはずだしスキーも全く滑れないはずだけど!

 

現代ではあまり珍しくなくなった、「夫の方が家庭的」という夫婦像なのですが、当時はまだ全くメジャーではなかったんじゃないかなあ。だって、15年前ですからね。私は堺さんの中性的なところが好きで(というか、そこを嗅ぎ取って)ファンになったのですが、この時点で彼にこの役が来るということは、昔からそういうイメージの人だったんだなあ、私が知らなかっただけで。半沢直樹・リーガルハイ・真田丸の印象から入った私には、とても新鮮なのでした。

 

15年も前なので、ジェンダーロール(一般的な夫婦像)に逆らって生きるこの夫婦には、今より風当りが強いです。象徴的なのがお姑さんで、気まぐれに二人の家にやってきて「どうして子どもをつくらないのか。なぜ家にもっと早く帰らないのか。息子のためにキチンと栄養のある料理を出してやってくれ」とか言ったりします。困るよね…気まぐれに来ないでほしいw

みつるは毎日遅くまで働いて、夫に家事を任せていることにどこか罪悪感があり、お姑さんにも反論しません。まあ、仕事ばっかりしていると夫婦はすれ違いになりがちですよね(身に覚えが…)。そんなこんなでこの夫婦はセックスレス…というところから物語が始まります。(wikipedia見ると一番上に「セックスレスの夫婦を描いたラブコメディ」って書いてあるんですが、コメディ要素はまったく無かった気がしている)

 

何が「婚外恋愛」か、という話なのですが、タクにですね、急接近してくる女性が登場するのです。志津香(釈由美子)っていう。実はタクのことを学生時代から好きで、ストーカー的に接近し、今の得意技はオーバードーズ、っていう困ったちゃん。この人の夫が謎の会合に参加していて、そこでは夫婦の取り換えパーリー的なものが行われているという、ちょっとこのあたりアレな設定なので割愛します。いや、この辺は割とどうでもよくてさ……

 

さすがはドラマ、よくおわかりで!と思うのは、二人に近づいてくる恋人候補が「今の夫/妻と正反対」っていうところなんですよね。タクには、しっかり者で甘え下手なみつるとは正反対の、お人形さんみたいで震えがちな志津香が。彼女は専業主婦で、いわゆる「かごの中の鳥(実際に鳥飼ってる)」。みつるには、自由奔放でワイルドみある元カレの亮馬(原田龍二)がスペインから帰国wして近づいてきます。「俺について来い!(実際にスペインに連れて行こうとする)」系。ものすごくベタな展開なはずなのに、たいへん夢中になって観ていた私…バカなのか……いや、だがしかしこの4人の設定、実は凄く練られている気もする!妻にあまり頼られたことのないタクに、頼りすぎる志津香!仕事を失うとアイデンティティが崩壊しかねないみつるの職場でのピンチに、仕事込みで助け舟を出そうとする亮馬!!

 

タクは基本的にずっと「みつるが大好き」「やりなおしたい」というスタンスなのですが(最高か)、「優しすぎる(byみつる)」ため志津香をハッキリ振ることができません。8話ぐらいでタクが「そりゃ正直、『(志津香)に頼られて嬉しい』っていう気持ちはあったよ。だって、みつるはほら、あんなだし」と親友に打ち明けており、私は「な、な、ナンダトーーー!!!!」と夜中にコタツをひっくり返しそうになりました。うう…一人で生きていけるように頑張ってきた結果、男にモテなくなるなんて…心当たりがありすぎる!タクのバカ!!

 

まあでも、先に書いたように、「いわゆる夫婦像」とはちょっと違うDINKS夫婦だからこそ、自分たちで考えていかなければならず、二人はいつもちょっと自信がない。「こんなに仕事ばっかしてて、夫をほったらかしにしてきた私が、彼を縛る権利なんかあるんだろうか」。「妻の元カレが仕事相手になってしまったけど、彼女は仕事がとても好きだし、『会うな』とは言えないよね」。後半クライマックスを迎えるのですが、「結婚は、どのくらい相手を、精神的に・物理的に縛ることができるのか」とか、「人は、何人の人を責任もって大事にすることができるのか」「子は『かすがい』なのか否か」みたいな、普遍的なテーマに近づいていきます…

途中、みつるの「それじゃまるで(あなたが)恋してるみたいじゃない!」というセリフに対して、タクが「(図星……)」という表情をするシーンがあるのですが(冷静に見るとけっこう笑える)、結婚していようと相手の恋心を消すことはできないですよねえ。私は、人間が複数の人を同時に好きになることは「余裕でできる」と思っているのですが、だからこそ、結婚というルールが意外と大事なのかもと思います。二人はある意味、外で別の恋人を助けたり、助けられたりもしていて、でもだからといって「一番」が入れ替わることはない。全編通して、お互いを手放してはまた追いかけたりする二人を見ていて、「適度に自由で、適度に縛りあってることが結婚の良さ」でもあるなあ、とか思いました。

 

 

オープニング映像がとても良くて、幸せな新婚生活~出会ったきっかけまでを、逆回転で遡るムービーになっている(これだけは、探せばネットの海のどこかで観られるかも…?)。3~7話ぐらいまで、ちょっとしたすれ違いがどんどん重なり、別れ話も出るようになる中で、流れるオープニング映像がこの「結婚式のなれ初めムービー」みたいなやつ。回を経るごとに「こ…こんな素敵な出会いと結婚をした二人だったのに…どうしてこうなった」と、胸の痛みが増すようになってくるんですよw。そして、しかも、驚くことに、9話で順序が!!出会い~結婚まで正しい順番に戻るんですよ!!すごい!!もちろんドラマ本編とリンクしているんですけどね!!!!ああ、すいません。興奮してしまいました。もう観られないドラマだって言ってるのに……

まあさ…結婚っていうのは、歴史だよね。唯一無二の、二人の人生のちいさなムービーだよね…………(号泣

 

 

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とまあ、色々書いてきましたが私が最も言いたいこと、それは推しが可愛い」。たぶんこのドラマの影響で観葉植物、というか苔を育てることにハマってしまった堺雅人が可愛い。「みつるは、仕事の話している時がいちばんイキイキしてるな」って笑顔で言ってくれて、自分の母親にも「みつるは編集の仕事ずっと頑張ってきたんだよ、そんな言い方するな!」って怒ってくれて、みつるが仕事辞めざるを得なくなった時に転職先を一緒に探してくれるタクが可愛い。そんで元カレの方が自分よりもしっかりした仕事のツテを持ってきたら、みつるの人生を考えれば…って身を引こうとするバカなタクが可愛い。(←すっごい強調してしまった…)堺さんと永作さんのファンには観てほしいから、いつか再放送でもしてくれたらいいのに…と、すごく思います。

最終的には、良い感じにハッピーエンドで終わります。連続ドラマの視聴者、既婚主婦層がいちばん多いからねえ(突然のマーケティング脳)。私も二人の絆の強さに安心しました。夫をもっと大事にしよう…。

 

いろいろ調べたら、プロデューサーの方が今は「ドクターX」とか制作されている内山聖子さんでした。男社会の中でバリバリ働く女性の気持ちや、ドラマで女性が主人公に言ってほしいこと、よく分かっている方々がつくったんだなあ。均等法第一世代バンザイ!本当にありがとうございます!と思いました。脚本は「ラブジェネレーション」などの浅野妙子さんです。

 

 

さて、そうはいっても、今は観られないドラマの話だけじゃつまんないですよね。最近また「婚外恋愛」が話題になってるの、知ってますか?「1122(いい夫婦)」っていうマンガがあるのです。私は昔から渡辺ペコさんのファンなのですが、とっても楽しみにして読んでいます。

著者の渡辺ペコさんと私は同世代(たぶん私の方がちょっと上)なのですが、とりあげているテーマがいつも「新しくて身近」なことが多いです。LGBTについてもかなり前から漫画に出てきていたし、最近だと、子どもを産むことや老いや死について。年を経るごとにどんどん内容に深みが増していく感じがしています。で、「婚外恋愛(夫婦公認不倫)」です。

 

1122も、経済的にはそれぞれ独立したDINKSの二人が、平穏な結婚生活を送っているが実はセックスレスである。webデザインの仕事をしておりちょっと女子力低めwの一子(いちこ)(35)と、お花が趣味で家事に積極的なやさしい夫・二也(おとやん)。あれ、「婚外恋愛」の二人と似てますね。現代ではこういうカップルが増えているということもありそうだし、テンプレ的な夫婦の「外」を描く方が、「結婚とは何か」と言うテーマに迫りやすいのかな、とも思いました。

 

ここまでの「1122」で、印象に残っているのは、いちこちゃんが体調を崩して、駅から帰れなくなってしまった時に、おとやんが雨の中探しに来てくれるところ。いちこちゃんは実母とおりあいが悪いのですが、おとやんはその二人の間に緩衝剤として入ってくれて、「いちこの実家」もひっくるめて背負う覚悟を持っていること。いい夫ダナーと思うのですが、この先、外の恋愛が、ふたりをどうやって引っ掻き回すのか(ウヒヒヒ…)気になります!そして「1122」でも、「結婚は、どのくらい相手を、精神的に・物理的に縛ることができるのか」「人は、何人の人を責任もって大事にすることができるのか」「子は『かすがい』なのか否か」というようなテーマについて、詳しく描かれていくのでしょうか。

 

 

あと私、こういう作品を観る時、私は「夫/妻がお互いをどう呼んでいるか」にすごく注目してしまうのですが、「婚外恋愛」では、タクは「みつる/お前」、みつるは「タク」と名前で呼んでいました。タク、呼び方だけはちょっと男らしいんだよね。いちこは「おとやん」おとやんは「いちこちゃん」と名前呼びです。

 

非常にとりとめもなくなってしまいましたが、この二作品を見ていて「夫への愛と推しへの愛は別腹」という友人の言葉を思い出しました。「1122」でいちこちゃんの友人が、「性欲(愛情)をどうやって処理しているか」と問われて「岡村ちゃんと犬」と答えていましたが、女性って愛情あふれる生き物ですね。なんだこのまとめ……

現在進行形で読むことができる「1122」をまずはどうぞ!婚外恋愛、もしリアルタイムで観ていたという方がいたら、一度じっくり、キャーキャーと語り合ってみたいものです……!

 

 

 

 

 

1122(1) (モーニングコミックス)
 

 

 

1122(2) (モーニングコミックス)
 

 

 

 

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 つまみぐいをしようとして…

 

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タクにペチッって叩かれるみつる!